日記

DIARY
2011/04/29    彫刻刀を砥ぐ日々
世間は今日から大型連休に突入する。もう何年もの間、祝日も正月も関係ない生活を送って来た僕は、ゴールデンウィークも仕事をする毎日である。
 
今年の秋から来年の秋にかけて、数ヶ所での版画の個展とグループ展の開催が予定されている。
今日はそこに向って気持ちを引き締める意味で木版画の彫刻刀の砥ぎを始めた。
中砥と仕上げ砥、2種類の砥石に水をくれながら、刃の鈍った彫刻刀を集中して砥いでいると徐々に気持ちが落ち着いてくるから不思議だ。
 
銅版画や木版画など版材を彫る仕事は、この道具の手入れというものがとても大切である。切れない工具や彫刻刀を、そのままがまんして使用していたのでは、イライラするばかりで制作がはかどらない。
昔から版画は、
「半分が画家で半分が職人の仕事だ。」
と言われる所以である。
 
砥ぎが仕上がると木の端切れにに試し彫りをするのが習慣になっているが、日本の木版画専用の彫刻刀は本当に良く切れる。以前、イギリス製の木版画用彫刻刀を入手して使ってみたことがあるが、彫り味がしっくり行かなくてがっかりしたことがあった。おそらく版木の材質が、日本のものとは全く違うのだと思う。
 
絵画や版画の技法というのは、それを生み出した国の長い歴史と風土の上に成立しているものだ。
和紙や版木、顔料や道具を造る職人さんがいて、ようやく僕等の作品が仕上がっている。
彫刻刀をはじめ、伝統的な木版画の道具であるバレンや摺りバケなどを、あたりまえのように入手し、使えることに感謝しなければいけない。
 
画像は砥石の上に置いた木版画用彫刻刀
2011/04/02    「版の会」結成展
地元、Nカルチャーセンターで木版画の講座を担当して早いものでこの春7年目を迎えた。
紆余曲折しながら手探りでここまで続けて来たが、この4月に入り、おかげさまで生徒さんも20数人となった。
 
生徒さんと言ってもみなさん社会人で、僕と同世代ぐらいの方から親の世代に近い方までいらっしゃる。多くは人生の先輩となるが、教室内での作品の意見は遠慮なく言わせてもらっている。
今までもセンターの壁面での作品展示を行って来たのだが、2-3年前から外部の空間で展示したいという強い希望があり、会場をあれこれと探していたところ、運良く地元企業のY社が教室から程近いスペースを無料で提供してくださった。この時期、たいへんありがたいことである。
 
グループ展に先駆けて、生徒さんからグループ名を付けて欲しいとの要望が出た。迷った挙句、「ユーカリ版の会」とすることにした。「ユーカリ」とはユーカリの木に由来するが、教室のある街の名前である。この言葉の優しい響きが気に入っていた。「版」は、紛れも無く木版画の版である。我ながら良い名だと思うのだが…。
 
先月、31日が作品搬入と展示の日だった。僕も出品するので午後から会場にうかがった。作品をかかえて中に入ると、すでに約40点の力作版画が揃っている。
展示が始まると、みなさんとても楽しそうにテキパキと動いている。さすがは社会の中でもまれて来た世代、役割分担もきちんとしていてあっというまに展示作業終了。
 
今日までいろんな場所で版画をレクチャーしてきたが、どこでも声高に言ってきたことは、作品制作は「オンリーワン」が大切なのだということだ。他人と比較するのではなく自分らしさを出すことが1番である。
整然と並んだ作品は、それぞれの異なる思いと個性が光っていた。
 
たくさんの力作を出品してくださった生徒さんと、快く会場を提供してくださったY社のみなさんに感謝します。
 
画像は「版の会」展示作業風景
 
 
 

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Last updated: 2011/12/14