日記

DIARY
2011/03/25    地上47階の展覧会
3月21日、春分。東京のギャラリーで開催されている友人Nさんの個展に行って来た。
 
2年前の日記を憶えている方がいるだろうか。美術学校の同級生でイタリアのミラノに留学したS氏が帰国して個展を開いた会場と同じ場所である。S氏とNさんはご夫妻であり、画家として共にイタリアで創作活動を続けている。
 
会場は汐留の地上47階にあるイタリアンレストランが持つ展示スペースである。予定では13日がオープニングパーティーのはずであったが、巨大地震の影響でこの日に延期となっていた。高速エレベーターで上がる事情から停電になると動かなくなってしまうということだった。
 
新橋から地下通路を抜けて会場となるビルに到着したが、休日というのにショッピング街は閑散としていた。エレベーターで47階まで上がると、窓からは東京湾岸に広がる灰色の都市風景が広がっていた。今日は朝から雨天ということもあり、ビル群がひときわ重厚に見える。
 
こういう時期の個展、はたして大丈夫だろうか…。会場に着くとそんな心配をよそに大勢の人が訪れていてワインパーティーが始まっていた。アーティスト、ギャラリスト、イタリアで知り合った方々などだが、これもひとえにご夫妻の人柄である。
 
Nさんの平面作品は水彩画と油彩画の抽象で、青や赤など原色を基調にしたリリカルで鮮やかな表現である。僕は色彩が透明感を持ち、流れるような表情を持つブルーの水彩画に魅かれた。油彩画はひさしぶりに見たが水彩とは対照的に厚みのある絵肌で力強い印象だった。
 
それにしても20代から作品を見ている同級生で、あれから30年近い時間が経過しているのだが、その人の表現の根っこというものは、不思議に大きく変わるものではないと改めて気づかされた展示であった。
 
いつの間にか3時間近く経っていた。勧められるがままに飲んでいたので、ワインもほどよく回って来たようだ。ひさびさの再会に名残惜しいが、ダイヤが乱れる帰りの電車も心配である。またの再会の挨拶をして帰路についた。
 
画像は地上47階の窓から撮影した東京湾岸の風景
 
2011/03/20    東日本巨大地震
11日午後に太平洋岸の東北地方、北関東を震源として発生した巨大地震から1週間を経過した。最大M 9,0を記録したこの地震は気象庁の観測史上もっとも巨大なもので連日、新聞やテレビなどのメディアで青森、岩手、宮城、福島、茨城などの被災地の様子が報道されている。
 
地震当日、千葉の北東部に位置する我が家は震源地の1つである茨城県沖から近く大揺れに揺れ震度6を記録した。
午後2時過ぎ、普段は出入りが多い家だが、珍しく家族4人がリビングに揃いくつろいでテレビを見ていた。ドーンッ、という大きな衝撃から揺れが始まり、立っていられない。窓越しに外を見るとコンクリートの電信柱がグニャグニャとまるでゴムでできているかの様に大きく揺らいで見えた。「これは大きいっ!!」と判断し、全員でテーブルの下に潜り込んだ。大きな揺れはとても長く感じられ、床にしゃがんでからもテーブルの脚に捕まっているほどだった。
机や本棚に置かれたものは床に散乱し、スチール製の大きな本棚はグニャリと変形してしまった。
近所では屋根瓦が落下する家も多く、道路も数ヶ所が陥没してしまった。
 
翌日から、停電、断水、鉄道の停止などが続き、いまでも毎日、震度3-4程度の余震が起きている。
 
だが、被災地で大津波により住まいや家族を失ってしまった人々のことを思えばたいしたことではない。
二次災害とも言われる福島の原発事故も不安である。青森、岩手、宮城、福島には友人、知人、親戚などもおり安否を想うととても心配である。
自分達が今できること…郵便局でわずかばかりの募金をしてきた。それから節電のため夜はできるだけ早く寝て朝早く起きるようにしている。ガソリン不足の時、自動車は必要以上に乗らない。
 
地震により亡くなられた多くの方々に謹んでご冥福をお祈りし、被災された多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。また現地で日夜、救助活動にあたっている国内外の関係者の皆様には深く感謝すると共に無事を祈っております。
世界中の誰もが他人事とは思えない大災害、1日も早く復旧、復興されることを願ってやみません。
 
2011/03/06    啓蟄
早いもので今年も3月を迎えた。長かった冬の寒さもようやく緩んで来たようだ。
暦の上では今日は「啓蟄(けいちつ)」。辞書を引くと「…蟄虫すなわち冬篭りの虫が這い出るの意」とある。
 
冬の寒さで体もすっかりなまってしまったので、学校やカルチャー教室でのレクチャーがある日以外は運動を兼ねた1時間程度の犬の散歩に出ることにしている。
だいたいいつもコースが決まっていて住宅地内から近所の農地を2匹の愛犬と歩いている。
 
暦どおりということなのか、ここ数日あぜ道の雑草が花をたくさん付け始めた。
ナズナ、タンポポ、ホトケノザ…、子供の頃から慣れ親しんできたせいか、僕にとって真っ先に春の到来を知らせてくれる花は街中のソメイヨシノよりも田んぼの雑草なのである。
 
その中でもっとも早い時期から咲き始めるのが画像にアップした「オオイヌノフグリ」というコバルトブルーの小さなかわいい花だ。
それにしてもこの花、悪名の代表格である。なにしろ果実の形を雄犬の陰嚢(いんのう)に見立てたのだからたまったものではない。どなたが命名したのかは知らないが、こんな可憐な花なのだからもっと美しい名前は思いつかなかったのだろうか。…たとえばヒメルリソウとかソライロハグサとか。
 
これから5月のゴールデンウィークまで里山にも次から次へと春植物が咲き乱れる。その花を求めて多くの蝶や虻が舞う日も近い。
 
画像は近所の田んぼの畦に咲いたオオイヌノフグリ

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Last updated: 2011/12/14