日記

DIARY
2011/12/14    房総半島山行記 その2   
君津駅から車に乗り一路、高宕山(たかごやま)の登山口に向かう。車中、昔、一緒に登頂した山の話で盛り上がる。
 
1時間近く走っただろうか。風景がかなり内陸部に入ったようすになって来た。
そうこうしているうちに車は林道に入り、高宕第1トンネル前の登山口に到着。車を降りて身支度しながら周囲を見渡すと、落葉樹が紅葉真っ盛りで美しい。
 
いきなり、丸太のステップが着いた急登で始まる。「低山といってもばかにできないな。」と話しかけるが、山慣れしたK君はステステと先を行ってしまう。この膝の上げ下げの感覚、ひさしぶりだなぁ…。
 
一汗かいたかと思ったら、ポッカリ開けた稜線に出た。『石射太郎(いしいたろう)』と呼ばれる巨岩ピークの下である。
南側には『九十九谷(くじゅうくたに)』と呼ばれる房総丘陵が延々と連なっている。
空気が澄んでいて遠方の山までよく見える。「右から、鋸山、富山、伊予ヶ岳、御殿山、愛宕山…ベルビューッ!! まさに絶景だな。」思わず叫んでしまった。
ここで大休止。大汗をかいたので水分を補給したり、風景をカメラに収めたりしてから、また出発。
 
ここからは緩いアップダウンを繰り返す尾根歩きとなる。クヌギやコナラなど明るい落葉樹林の紅葉を楽しみながら進んで行く。さまざまな野鳥の声などに耳を傾けながら、1時間強で、高宕観音下に到着した。
いにしえから大勢の人々が踏みしめ、磨り減った石段を上り詰めると観音堂に到着。よくぞこの地に造ったかという御堂が、大きな岸壁を繰り抜いて建っていた。ここでは数人のハイカーが休んでいる。
西側を振り返ると、東京湾越しに富士山がクッキリと見えた。千葉県のいろんな場所から富士山を見て来たが、こんなにクリアーに見えたのは、ひさしぶりだ。
 
あとわずかで頂上だ。岩をくり抜いたトンネルをくぐり、鎖の着いた木製の梯子をいくつか登ると…高宕山の頂上に到着。狭い岩場の山頂に、先着のハイカーが数人、景色に見入っている。
眼前には、360度の絶景パノラマが展開していた。
 
南側の房総の山々はもちろん、西に富士山や道志、丹沢の山々。さらに南アルプス。北西には富津岬、遠く幕張メッセの高層ビル群。北には筑波山と、かなりぜいたくなメニューである。
とても330mの山頂からの景色とは思えない。「たかだか房総の低山、されど低山。」である。
 
K君がコンロでお湯を沸かし始め、遅い昼食となった。登り始めて2時間ちょっと、振り返ると眼下に登って来た尾根が龍の背のように曲がりくねって伸びている。
「意外に谷間が深いねぇ…。」とK君が一言呟く。食後も飽きることなく景色を眺めていると、いろんなルートから登って来たハイカーが次々に到着する。
なごり惜しいが狭いテラスを占領しているわけにもいかないので、ここらで腰を上げ元来たコースを下山することにした。
 
帰り道、K君に「予想外に良い山だったなぁ…房総の山にこだわってみるのもおもしろいかもよ。」というと、同じ思いを持ったようで、「また来月も別の山に登ろう!」と返事が返って来た。
 
画像は稜線から見た高宕山のピーク。
 
2011/12/09    房総半島山行記 その1
先月、友人のK君から連絡があり、「最近、しばらく中断していた山登りを始めた。ひさびさに奥多摩や丹沢あたりの低山にでもいっしょに登らないか。」という内容。
 
K君は10代後半からの友人で、美大受験時代、東京の美術研究所に共に通っていた。T芸大の油画科に進み、壁画を専攻した。僕は美術の専門学校で版画を専攻していたが、この頃からお互い山登りをしていた…と言ってもK君は大学の山岳部に入部して、岩登りや雪山もやる本格派だった。
僕はと言えば仲間と、ちんたらテント山行を続けていた。
 
お互い環境は違っていたが、それぞれの活動の合間に山に一緒に登った仲である。奥多摩、大菩薩、八ヶ岳など思い出に残っている。
電話を受けた時、「丹沢の縦走を最後に、もう20年ぐらい登ってないしなぁ…体力的に自身がないよ。」と断ったが、「俺もずいぶん中断していたけど近頃では北アの剣岳や南アの仙丈岳にも登ってるよ。長島にも登れるよ。」との、熱のこもったお誘い。
 
何度かやりとりがあって結局、K君の住まいに近い千葉県君津市の低山、『高宕山』に事始に登ることになった。
 
ということで、朝早くから電車に乗り、ひさびさにピクニック気分で出かけたのだった。
家から房総の山に行くには、内房、外房に限らずJR千葉駅で乗り換える。内房線のホームに着くと、ザックを背負った中高年者のハイカーでごったがえしている。
ブームとは聞いていたが、まさか房総の低山までも対象となっているとは思わなかった。
 
君津行きの電車が出発。この日は快晴で風も弱く、絶好の行楽日和だった。五井の駅を過ぎたあたりで、雪化粧をした富士山が東京湾越しにくっきりと見える。葛飾北斎が木版画で制作した『上総富士』である。
 
「今日は何かいい予感がするなぁ…。」
 
君津駅で降りると、バスロータリーで愛車に乗ったK君が出迎えてくれた。
 
この先は、その2に続きます。
 
画像はコース上の巨岩、「石射太郎(いしいたろう)」。
 
 
 
 

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Last updated: 2011/12/14