日記

DIARY
2011/11/30    日の入り時間に野鳥観察
29日。朝から絵画作品を制作し続け、少し目も疲れたので午後遅くから近くの西印旛沼に出かけた。
 
ここでは、晩秋から早春までの時期、日の入り前後の時間帯に野鳥観察をすることにしている。この季節、水面には冬鳥のカイツブリ類やカモ類が数も種類も増えているし、ヨシ原にはタカの仲間や小鳥類が多く観察できる。日の入り前後の時間を選ぶのはこの沼をねぐらにする種類がいて、動きが活発になるからである。
 
いつものように沼の土手の観察ポイントに着くと、いつものように沼がたっぷりと水をたたえていて気持ちが癒される。いったい今まで何回、この風景を前にして元気をもらってきたのだろうか。この日は風も弱くて曇っているせいか遠景が霞んでいて山水画のように茫洋として見える。
 
11月も末になり、そろそろ寒さも増して来たおかげで北国から冬鳥のカイツブリ類、カモ類の数が増えて来た。特に冬羽のカンムリカイツブリはいつ見ても気品がある。高倍率の望遠鏡を三脚にセットして、水面を端からなめる様に見ていくとカモ科のミコアイサ(漢字で神子秋沙と書く)が8羽、入っていた。♂は白と黒のコントラストの強いツートンカラーが美しい。
 
少し土手を歩いて移動していた時、突然ヨシ原が騒がしくなったかと思うと、小鳥が120羽ほどの群れで飛び出して来た。首から下げた双眼鏡で追うと、冬鳥として渡って来たばかりのツグミである。周囲が薄暗くなり始めた頃、対岸の広いヨシ原に双眼鏡を向けると、ここでねぐらをとるタカの仲間のチュウヒが低空飛翔していた。このタカも近年、生息数が減少している種類だ。
そろそろ、日の入り。周囲の暗さも増してきた。ここでUターンして帰宅する。ノートを見ると観察した野鳥は全部で30種。
 
今日の観察はこれで終了。
 
画像は土手から撮影した西印旛沼のこの日の風景。
2011/11/27    木口木版画3人展
26日。千葉市内の画廊、スペースガレリアで開催中の『木口木版画展 長島充・早川純子・涌田利之』のオープニングパーティーに参加してきた。
 
今回企画展のため、画廊が声をかけたメンバーだが偶然、2人共以前からよく知っている版画家だった。世の中広いようで狭い。
早川さんは版画制作と平行してエディトリアルや絵本の分野で活躍中で、涌田さんは蔵書票版画を数多く制作されている。3者3様。
 
僕は少し早目に画廊に着いていたが、ポツポツと版画好きのお客さんがみえていて熱心に技法について質問を受ける。版画の展覧会の場合、個展でもこうしたことは日常である。ましてや木口木版画という技法はもともと西洋のもので一般になじみが薄い。
百聞は一見にしかず、こういうこともあろうかと、小さな木口の版木と『ビュラン』と呼ばれる専用の彫刻刀をザックに忍ばせて来た。これを手にとってもらいながら説明する。
 
会場をゆっくり見回すと手のひらサイズの版画作品が約60点ならんでいる。制約がある技法のためサイズは小さいのだが、その分、細密な表現が可能で求心的、内省的表現に向いている。けっして大きなサイズの版画、絵画作品にひけをとらないと思う。
 
「…小さな版画もこれだけ点数が並ぶと見ごたえがありますねぇ。」
 
休憩スペースで僕の前に座っている紳士がつぶやくように言った。そうこうしているうちに2人の作家も到着。パーティーの時間となった。画廊関係の画家、版画家、美術ファンの方々が次々に来廊。画廊スタッフの方が用意してくれたおいしい料理とワインに舌鼓をうちながら作品に囲まれて楽しい一時を過ごすことができた。スタッフのみなさんに感謝。
 
展覧会は来月4日まで。画廊の前の大通りをはさんだ千葉市美術館では現在『瀧口修造とマルセル・デュシャン展』を開催中。興味のある方は美術館と合わせて、ぜひ足を運んでください。詳細は当工房のお知らせページをご覧ください。
 
画像は展示会場の風景。
2011/11/11    世の中『ユルキャラ』全盛時代
6日、僕が入会している日本野鳥の会の大先輩の1人である『Y氏を偲ぶ会』が都内某ホテルで開催され、出席してきた。
 
Y氏は1970年代、学生時代から各地の自然保護活動に参加し、日本野鳥の会事務局員、科学雑誌編集サポート、などを経て、31歳で独立。
以降、フリーのナチュラリストとして、科学雑誌の編集、サイエンスライター、科学番組のディレクター、自然教育活動、文化講座などの講師と、幅広い分野で活躍された方である。
また、2002年には長崎県対馬に活動拠点を移し、天然記念物ツシマヤマネコの保護や『森のミニ博物館』建設など2010年に他界されるまで、同島の地域おこしに貢献された。
 
午後遅く会場に着くと、野鳥の会会員仲間を始め、各地の野生生物研究者、博物館学芸員、自然写真家、野鳥の声録音家、漫画家など、そうそうたる顔ぶれが合計90名ほど勢ぞろいしている。
実は、今日この会に出席した目的がもう1つあった。この会の幹事で、当工房のスタッフでもある連れ合いが、対馬から借りてきたツシマヤマネコのユルキャラをアトラクションとして被って登場すると言うのだ。つまり、『盛上げ役』である(笑ってしまう)。
 
元、NHKのアナウンサーでY氏と親交の深かったM氏の流暢な司会進行でプログラムが運ぶ中、ユラユラと出てきた、出てきた…ユルキャラの『ツバキちゃん』。一応♀なんだな。♂の方は都合で借りられなかったらしい。
連れ合いとは長いこと生活してきたが、こんな姿はもちろん初めて見た。どうなるかと思っていたが、基本動作を短時間でマスターし、愛想をふりまいていて…あんがい似合う。
 
休憩時間に近づいて行って、「似合うからそのまま家に帰ったらどう?」と話しかけてみた。すると、即答で「無理っ!!」。
この日は11月だというのに暑い日で、着ぐるみの中はサウナ状態だったようだ。
 
連れ合いの活躍!?もあって、会はおおいに盛り上がり、予定の3時間があっという間に過ぎてしまった。全員で記念撮影をしてお開き。
僕は内心、「当工房のユルキャラ『版画ちゃん』を作ったらどうだろうか…もちろん中身はスタッフで。」と思ったのでした。
 
Yさん、どうか鳥仲間の行く末をそちらから見守っていてください。
 
画像は会場でツシマヤマネコの『ツバキ』にふんするスタッフ。
 
2011/11/03    ワークショップ『銅版画でオリジナルカードを作ってみよう』
日記の更新が遅れたが、先月30日に地元の佐倉市立美術館で銅版画のワークショップを行なって来た。
 
美術館では10/22から『-生誕100年-南桂子展』が開催中である。南桂子さんと言えば戦後の日本を代表する銅版画家であり、同じくメゾチント技法の巨匠、浜口陽三氏の奥様でもある。1950年代に渡仏し、当時、スタンリー・ヘイターなどと並びパリで活躍していた銅版画家のフリードランデルに師事した。
 
その作風は、ポエジーに富むメルヘン的な少女像が良く知られている。今展は、初期の油彩画や時代を追った銅版画作品などで構成され、併せて銅版の原版なども展示されている。
 
学芸員のK氏と事前に打ち合わせがあり、「南展に合わせ、参加者に金属版を彫る抵抗感を追体験してもらうようなワークショップにしたい。」という希望があった。
いろいろとアイディアを出し合った結果、南さんが生前にグリーティングカードを制作していたことからハガキ大の銅版に、最も彫るのに抵抗感のあるドライポイント技法で制作してもらうことに決まった。 
 
K氏や市の広報の努力により、参加希望者は残席待ちとなり、当日は朝から多くの参加者が会場に駆けつけた。
手短かに銅版画技法と今回のワークショップの主旨を説明した後、さっそく下絵を版にトレース、彫りの作業にとりかかった。今回、T芸大版画専攻の学生さん2人がアシスタントに加わってくれた。2人共、ふだんから版画工房の空気をよく解っているので、とてもスムーズに作業が進んで助かった。
 
早い人は、開始から1時間後ぐらいで試し刷り、全員が午後には本刷りをとった。僕とスタッフ、T芸大生2人、K氏と5人で彫り上がった版を預かり、インクをつめ、ふき取り、紙を置き、プレス機を回し、板にテープ張りと作業を分担したおかげであっと言う間に全員が本刷り完成、予定より1時間近く早く終了した。
 
乾燥のため板に張られたたくさんの版画を眺めると、ドライポイント技法らしい黒線によるフレッシュな作品が並んでいた。
 
無事、盛会のうちに開催できたことを佐倉市および美術館関係者、K氏、T芸大のお二人に感謝します。
 
南展は今月23日まで開催中。まだご覧になっていない方は、是非1度足を運んで見てください。
 
画像は会場の銅版画プレス機の周囲で刷りの順番を待つ参加者。
 
 
 
 

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Last updated: 2011/12/14