10月も終盤、そろそろ里山にも冬鳥が渡って来る季節になった。
25日、秋晴れで無風の観察日和。ひさびさにマウンテンバイクに乗って、近所の沼と雑木林をパトロールして来た。
バーダー(野鳥観察者)はたいがい、頻繁に通うことができる自分の観察フィールドを持っていて『ホームグランド』などど呼んでいる。この日、僕が巡回したのはそのホームグランドの一つである西印旛沼周辺である。
初めに沼の土手に造られたサイクリングロード沿いを回ろうと入り口にとり着いたが、春の大震災の影響で道路が所々崩れ落ちている。年度末事業で予算がついたのだろう、重機がたくさん入り大掛かりな工事が始まっていた。
このあたり、もともと湿地帯であったため地盤がゆるい。仕方ないので道路を大きく迂回しながらの観察となった。
高倍率の望遠鏡で沼の水面を端から丁寧に見ていくと…いるいる、種類はまだ少ないが冬鳥のカモの仲間が視野に入ってきた。同じく冬鳥のカンムリカイツブリが3羽、上空をゆったりと舞うミサゴ、ノスリ、チュウヒなどタカの仲間も現れた。
しばらく沼を見て、土手で昼食をすませてから、今度は丘陵の上に広がる雑木林に移動する。山野の小鳥類がお目当てだ。マウンテンバイクなので悪路でも気にせず、どんどん入って行ける。
シジュウカラ、エナガ、コゲラ、メジロなどで構成された大きな『カラ類の混群』に出迎えられ、嬉しくなってしまった。
この時期の林の野鳥を見つけるコツは実のなる木を探すことだ。真っ黒い実がたくさん熟しているミズキの大木を発見。高い枝を小鳥類の影が動いている。首から下げた双眼鏡で追うと、実を食べに来たツグミの仲間のマミチャジナイ3羽とシロハラ1羽が観察できた。
少し離れたところで漂鳥のカケスが2羽、「ジャーッ、ジャーッ…」としわがれた声で鳴く。今日はこのあたりで帰ることにしよう。
今日記録した観察ノートのページをあらためて見直すと、沼と雑木林を結んだこのコースで合計40種の野鳥が観察できた。
もうこの周辺で25年間観察を続けてきたが、まだまだこの環境は捨てたものではないと思っている。
画像は晩秋になって、数が増えてくるカルガモの群れ。
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